怖くはない 失うものなどない
最初から何も持ってない
「帰ろう」はこれから死にゆく人の歌。
死ぬと言うのは、失うことのように感じる。でも実は生まれた時は何も持っていなかった。最初は何も持ってなかったんだよと歌う。
ああ 全て忘れて帰ろう
ああ 全て流して帰ろう
あの傷は疼けど この渇き癒えねど
もうどうでもいいの吹き飛ばそう
さわやかな風と帰ろう
やさしく降る雨と帰ろう
だからこそ、全てを忘れて全てを流して帰ろう。
生きていく上でついた傷も、何かが欲しくとも手に入らなかった渇きもある。でもそれももうどうでもいいこと。
爽やかな風といっしょに、やさしく降る雨といっしょに、全て手放して忘れて穏やかに死んでいこう。
憎みあいの果てに何が生まれるの
わたし わたしが先に 忘れよう
一番心に深く傷ついた、憎いという気持ち。
でもそんな憎みあいの果てに、何もないことはきっと自分でもわかっている。
だからこそ、先に自分が忘れよう。
相手のためではない、自分のため。自分が心地よく穏やかに逝くために。
あなたは弱音を吐いて
わたしは未練こぼして
最後くらい 神様でいさせて
だって これじゃ人間だ
いろいろと理想はある。こうすれば楽になるとわかる。
でも最後の最後まで「神様=理想的な人間」ではいられなかった。
でも人間ってそうだよねという諦め。
わたしのいない世界を
上から眺めていても
何一つ 変わらず回るから
少し背中が軽くなった
そして、わたしのいない世界を「上」、つまり天国からの視点で、自分が死んだ後の現実世界を眺めてみる。
そんな状態で「何一つ変わらずに回っている」時に、悔しいとか寂しいではなく「少し背中が軽くなった」と表現する。
自分という存在がいなくなっても、世界は今まで通り回る。
だからこそ、もっと軽やかに生きていいんだというメッセージを感じる。
ください ください ばっかで
何もあげられなかったね
生きてきた 意味なんか 分からないまま
人生生きていると「ください ください」と求めてばかりになりがち。
でも、そんなふうにしていると、生きてきた意味とか分からないよね。でも、人生そんなものだよねという。
ああ 全て与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
自然に生きていると「ください ください」ばかりの人生になりがちなところを、
「全て与えて帰ろう」と歌う。ここで言う帰る場所は天国のところ。
元々は何も持たずに天国から来た。だからこそ、今身につけている全ても与えてしまって、何も持たずに逝こうと言うことを、”帰ろう”という言葉で表現をしている。
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとうって胸をはろう
去り際の時に 何が持っていけるの
一つ一つ 荷物 手放そう
そして、自分が今持っているもの、つまり他の人に与えられるものは、他の人から与えられもらってきたもの。
元々は何も持っていなかったんだから、他の人にもらった荷物は「今までありがとう」って全て与えて、手放して、胸をはって死んでいこう。
憎みあいの果てに何が生まれるの
わたし わたしが先に 忘れよう
あぁ今日からどう生きてこう
そして最後に、自分が持っている憎しみも先に忘れてこちらから手放して。
ここまで聴いて生まれ変わって、手放して、軽くなって、憎しみから解放されて、さぁ、これからどう生きていこう。というところで曲が終わる。
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